
日本通信SIMは料金が安く、乗り換えを検討している人も多いと思います。ただ、「安いぶん、田舎ではちゃんと繋がらないのでは」「乗り換えて後悔しないか」と不安で踏み切れない方も多いのではないでしょうか。口コミを調べても都市部で使った感想が多く、地方での使い心地はなかなか分かりません。
我が家は東北の田舎に住む夫婦で、2021年から約5年、2人とも日本通信SIMを使っています。月20GBプランを契約中で、現在の料金は2人合わせて月2,786円です。コスパは非常に優れていますが、使ってみてわかった弱点もあります。この記事では、実際に日本通信SIMを使ってわかったメリットとデメリットをまとめました。
結論から言うと、東北の田舎でも電波は問題なく繋がります。速度もふだんは十分ですが、最大のデメリットとして、平日の昼間は通信が遅くなります。この点を許容できるかどうかが、日本通信SIMが自分に向いているかの判断基準です。
東北の田舎でも、日本通信SIMの電波は問題なかった
東北の田舎で使ってみて、電波で困る場面はほとんどありませんでした。日本通信SIMの対応エリアは広く、家でも外でもきちんと電波が入るからです。
なぜエリアが広いかというと、日本通信SIMはドコモの通信網をそのまま借りて使っているからです。ドコモの電波が届く場所なら、日本通信SIMでも問題なく繋がります。
実際、我が家では自宅でも職場でも買い物先でも、電波に不満を感じたことはありません。大雪の日や雨の日でも普通に使え、海や山に出かけたときも繋がりました。
ただし、良いことばかりではありません。5年間使ってきて、通信面ではっきりした弱点が一つだけありました。それは、一番使いたい時間帯に通信が遅くなる点です。
日本通信SIMの弱点は、平日の昼に通信が遅くなること
日本通信SIMで最も困るのは、平日のお昼に通信が遅くなることです。とくに12時から13時ごろは、速度が大きく落ちます。
実際に我が家で測ってみると、その差は歴然でした。回線が混まない夜10時台は130Mbpsほど出るのに、混み合う昼12時台は1.2Mbpsまで落ち込みます。1.2Mbpsは、地図や動画の読み込みにはかなり厳しい速度です。

日本通信SIM・モバイル通信での実測(青森県弘前市近辺。人口規模15万人前後)
なぜ昼だけこれほど落ちるのか。日本通信SIMは、ドコモから「帯域」(データが通る道の広さ)を借りて運営しています。自分で通信設備を持たないぶん料金を安くできますが、その代わり借りられる道の広さには限りがあります。昼休みに利用者が集中すると、その道が渋滞し、速度が大きく落ちてしまうのです。
格安SIMが安い仕組みは「格安SIMとは・選び方」で詳しく説明しています。
実際、昼の時間帯にはこんなことが起こります。
- Googleマップやストリートビューが粗いまま、なかなか表示されない
- YouTubeの画質が落ちる、動画が途切れる
- Yahoo!ニュースの読み込みがもたつく
- LINEの通知は届くのに、本文がなかなか開かない
- ポケモンGOなど通信を使うゲームは、ログインもできない
中でも困ったのは、平日に子どもと旅行へ出かけたときです。撮った写真を家族のLINEに送ろうとしても、まったく送れず、リアルタイムの写真を共有できませんでした。
もっとも、速度が落ちるのは主に平日の昼に限られます。時間をずらせば問題なく使え、夜や休日に特に困った記憶はありません。この平日昼の遅さを許容できるかどうかが、日本通信SIMが向いているかの分かれ目です。
では、実際に乗り換えるとなると、手続きは難しいのでしょうか。
日本通信SIMへの乗り換えは簡単。唯一の難所は初期設定

乗り換えの手続き自体は簡単でした。電話番号はそのまま引き継げ、申し込みからSIMの到着までも問題ありません。大手から乗り換える人も、番号をそのまま使えるMNPという仕組みがあるので、基本的な流れは同じです。唯一の難所は、SIMが届いたあとの初期設定です。
SIMカードを入れ替えただけでは、すぐにインターネットには繋がりません。スマホ側で、日本通信に接続するための設定を一度だけ行う必要があります。我が家のiPhoneでは、Wi-Fiに繋いだ状態で、Safariから専用の設定ファイル(構成プロファイル)をダウンロードしてインストールする手順でした。我が家も、ここだけは少し手こずりました。(Androidの場合は、構成プロファイルではなく、APN=接続先情報を画面から手動で入力します)
必要なのは、この初期設定だけです。公式の手順どおりに進めれば10分ほどで終わり、一度設定すればあとは何もありません。
乗り換え前の注意点:支払いはカードのみ
大手キャリアでは口座振替で料金を払えますが、日本通信SIM(個人向け)は口座振替に対応していません。支払いはクレジットカードか、一部のデビットカードに限られます。大手で口座振替を使っていた人は、乗り換え前にカードを用意しておく必要があります。
ここまでが、我が家が5年使ってきた日本通信SIMの実感です。ただ、平日の昼の遅さがどうしても気になる人もいると思います。そうした場合の選択肢を見ていきます。
日本通信SIMが合わない人の選択肢
我が家は日本通信SIMに満足していて、多くの人にも胸を張っておすすめできます。月1,390円の安さは、やはり大きな魅力です。
ただ、唯一の弱点である平日昼の遅さが、仕事や生活でどうしても困る人もいます。その場合は、料金の安さより昼の快適さを優先して、別のプランに切り替える価値があります。
平日の昼に強いのは、自社の回線を持つ「キャリア直営」のプランです。昼に遅くなるのは回線を借りている格安SIMの宿命で、ドコモ・au・ソフトバンクが直接運営するプランなら、混雑時も速度が落ちにくいからです。
サービス | 月額(税込) | データ量 | 平日昼の速度 |
|---|---|---|---|
日本通信SIM | 1,390円 | 20GB | 遅くなる |
ahamo | 2,970円 | 30GB | 安定 |
povo2.0 | 0円〜(使う分だけ) | 都度選択 | 安定 |
楽天最強プラン | 1,078〜3,278円 | 3GB〜無制限 | 安定 |
Y!mobile | 4,158円 | 30GB | 安定 |
※料金は2026年6月時点の通常料金(税込)。楽天は使った量で段階的に変動。Y!mobileは各種割引で安くなります。
まず、次のような人は無理に乗り換えず、日本通信SIMのままで十分です。
- スマホを使うのが主に自宅・夜・休日の人
- 平日の昼に動画やマップをあまり見ない人
- とにかく毎月の料金を抑えたい人
そのうえで、平日昼の快適さがほしい人には、使い方に応じて次のプランが向いています。
ahamoが向いている人
- 平日の昼もマップや動画、SNSを快適に使いたい人
- 今ドコモの電波に満足していて、速度だけ上げたい人
日本通信SIMと同じドコモ回線なので、今と同じ電波のまま昼の遅さだけが解消します。乗り換えのハードルが最も低い選択肢です。
Y!mobileが向いている人
- ソフトバンク回線を使いたい人
- 申し込みを電話やメールで相談しながら進めたい人
店舗を持たない格安SIMと違い、サポートを受けながら手続きできます。申し込みは正規取扱店「Yステーション」から行えます。
povo・楽天モバイルが向いている人
- 月によってデータ量がバラバラで、使う分だけ払いたい人 → povo
- データを無制限で使いたい人 → 楽天モバイル
どちらも自社回線で、昼の速度は安定しています。ただし楽天モバイルはエリアが他社と異なるため、住んでいる地域で使えるかは公式マップで確認してください。
料金の安さを最優先するなら日本通信SIM、昼の速度も求めるなら直営のプラン。自分の使い方に当てはめて選ぶのが、いちばん確実です。
日本通信SIMは田舎でも繋がる。注意は平日の昼だけ
東北の田舎で5年使った結論として、日本通信SIMは多くの人におすすめできる格安SIMだと思います。20GBで月1,390円という、格安SIMの中でもトップクラスの安さです。電波は大雪の日はもちろん、山や海でも基本的に繋がります。
一方で、日本通信SIMのデメリットは平日昼の通信速度です。動画や画像、ゲームなどの読み込みが露骨に遅くなります。この昼の通信速度の遅さを許容できるかどうかが、判断の分かれ目です。時間帯を問わず快適な通信環境がほしい人には、ドコモ回線のahamoなどが無難です。
どちらも大手プランより通信費を抑えられる点は変わりません。まずは、毎月の通信量とスマホ代を振り返ってみてはどうですか。