
20畳のリビングを石油ストーブ1台で暖めたいけれど、「20畳対応」の表示を信じて大丈夫か、迷っていませんか。
実はこの畳数、家の造りだけでなく、断熱や窓の条件まで前提にした数字です。だから同じ「20畳」でも、足りる家と足りない家が出てきます。
そこで、東北在住の私たち夫婦が、業界団体JGKAの基準とメーカー公式の数値だけを使い、20畳に必要な暖房の力を木造・コンクリート・断熱の有無別の早見表にしました。自分の家に当てはめれば、どの種類で足りるか、1時間の灯油代はいくらかまで分かります。
結論から言うと、コンクリートの20畳なら対流式1台で届きます。木造は、2重窓と断熱材のある東北の家でも約7.9kWが必要です。対流式では届かないので、木造26畳まで対応の大型ファンヒーターかFF式を選びましょう。

石油ストーブ20畳に必要な力は「木造かコンクリートか」で変わる
石油ストーブの箱やカタログには「木造17畳/コンクリート23畳」のように、2つの畳数が並んでいます。同じストーブでも、木造の家では狭い部屋までしか暖められない、という意味です。
20畳の部屋に置くなら、見るべきは大きいほうの数字ではなく、自分の家の造りに合うほうの数字です。ここを取り違えると「20畳以上対応と書いてあったのに寒い」ということが起こります。
カタログの「木造◯畳/コンクリート◯畳」の読み方
畳数表示は、日本ガス石油機器工業会(JGKA)の自主基準にもとづく目安です。JGKAは、カタログの畳数は代表的な地域と住宅を例にとった表示で、条件によっては暖かすぎたり暖まらなかったりすると説明しています。
基準になっている家の条件は、次の表のとおりです。
地域 | 木造 | コンクリート |
|---|---|---|
温暖地:東京・大阪など。室内外の温度差15℃ | 木造戸建て・1重窓・断熱材なし | 集合住宅・1重窓・断熱材なし |
寒冷地:札幌など。室内外の温度差30℃以上 | 木造戸建て・2重窓・断熱材はグラスウール75mm | 集合住宅・2重窓・断熱材はポリスチレンフォーム30mm |
JGKAの表では、温暖地の木造16畳に必要な暖房の力は6.4kW、コンクリート16畳は4.6kWです。同じ広さでも、木造はコンクリートの約1.4倍の力が要ります。
断熱材が入っている家なら、必要な力は小さくなります。JGKAによると、温暖地で断熱材がある家は、表の能力を1.2で割った力で足ります。つまり、温暖地では、断熱材の入った家なら表示の畳数より2割ほど広い部屋まで暖められます。「木造17畳」の表示なら、約20畳が目安です。
寒冷地の表は、もともと「断熱材あり」の家が前提です。割り引けるのは、それよりさらに断熱性の高い家だけ。その場合、木造なら表示より2割、コンクリートなら5割広い部屋まで暖められます。
鉄骨造や軽量鉄骨造の家は、カタログの畳数表示に区分がありません。鉄は木より熱を伝えやすく、柱や梁を通して外の冷たさが室内に伝わりやすい造りです。迷ったら、小さいほうの木造の数字で選びましょう。
出典:日本ガス石油機器工業会「石油暖房機器」(2026年9月27日確認)
20畳に必要な力の早見表
JGKAの表は16畳まで。東北などの寒冷地の表では、木造16畳に6.3kWが必要です。これを広さの比率で20畳に置き換えると、木造20畳は約7.9kW、コンクリート20畳は約4.9kWになります。この記事の20畳の値は、すべてこの方法で当サイトが計算したものです。
家の条件:寒冷地 | 木造20畳 | コンクリート20畳 |
|---|---|---|
基準の家:2重窓+断熱材あり | 約7.9kW | 約4.9kW |
基準より高断熱の家 | 約6.6kW | 約3.3kW |
1重窓・断熱の薄い古い家 | 約7.9kWより多く必要 | 約4.9kWより多く必要 |
注意したいのは、約7.9kWは、断熱がしっかりした家での数字だということです。1重窓や断熱の薄い古い家では、7.9kWでも足りない可能性があります。
20畳より小さい部屋(6〜18畳)に必要なkWと選べる種類は、別の記事で早見表にしています。
→ 石油ストーブは何畳用を選ぶ?【6〜18畳の必要kWが分かる早見表】
自分の家は暖まる家?足りない家?
同じ木造20畳でも、暖まる家と足りない家があります。分かれ目は、畳数ではなく家の断熱と窓です。
JGKAも、暖房の効果は部屋の広さだけでなく、地域や住宅の種類、日当たりなどの影響を大きく受けると説明しています。そのうえで、部屋の広さの目安より少し能力の大きい機種を選ぶようすすめています。ほとんどの暖房機は火力を小さくできるので、大きめを選んでも弱めて使えます。
ここでは、基準の前提から逆算して、表示どおりに暖まりやすい家と、そうでない家を整理します。私たちは開放式の石油ストーブを使ったことがないため、購入者の声ではなく、基準の条件から考えた内容です。
表示より大きい機種を選びたい家
次のような家では、表示の畳数を満たしていても寒く感じやすくなります。
- 寒冷地なのに、窓が1重で断熱材がない古い家:寒冷地の表の前提「2重窓+断熱材あり」を下回ります
- すきま風がある家:暖めた空気が逃げやすく、断熱材ありの割り引きは使えません
- 吹き抜けや天井の高い部屋:畳数は床の広さの目安です。上の空間が大きいほど、暖める空気の量が増えます
- 北向きで日が入らない部屋
- 隣の部屋や廊下とつながっていて、戸で仕切れない部屋
こうした部屋では、ストーブが最大出力で回りっぱなしになり、灯油の減りも早くなります。東北の古い木造住宅に20畳のリビングがあるなら、対流式1台で済ませる前提はやめたほうが安全です。
窓が1重の家は、ストーブを大きくする前に、窓から逃げる熱を減らす手もあります。→ 窓の断熱シートは効果なし?貼れる窓の見分け方
表示どおり暖まりやすい家
反対に、寒冷地の前提「2重窓+断熱材あり」より条件がよい家なら、表示より広い部屋でも暖まる計算です。
- 壁や天井の断熱材が厚い。寒冷地の基準は、木造でグラスウール75mm
- 窓が2重窓や複層ガラス
- 天井が一般的な高さで、吹き抜けがない
- 日当たりがよい
基準より高断熱の木造20畳なら、必要な力は約6.6kW。対流式の6.59〜6.66kWとほぼ同じです。
我が家のエアコンで感じた気密の差
石油ストーブではありませんが、我が家ではエアコンで同じことを感じました。気密の高い家では、エアコンの畳数表示が部屋より小さめでも何とかなりました。逆に古くて気密の低い家では、畳数が足りていても寒く、エアコンを回しっぱなしにしがちでした。
暖房機の畳数表示は「家の性能がこのくらいなら」という条件つきの数字だ、というのが実感です。
20畳を1台で暖められる石油ストーブの種類
20畳の部屋で使える石油ストーブは、対流式・石油ファンヒーター・FF式の3種類です。前方だけを暖める反射式は小さな部屋向けで、20畳を暖められる機種はありません。3種類の違いは次の表のとおりです。

種類 | 仕組み | 電源 | 設置工事 | 給油のしかた | 木造の表示の最大 |
|---|---|---|---|---|---|
対流式 | 部屋の空気で燃やし、熱で自然に暖める | 不要。点火は乾電池 | 不要 | 本体のタンクに給油 | 17畳 |
石油ファンヒーター | 部屋の空気で燃やし、温風をファンで送る | 必要 | 不要 | 本体のタンクに給油 | 26畳 |
FF式 | 屋外の空気で燃やし、排気も屋外へ出す | 必要 | 必要。壁に給排気筒を通す | 別置タンク式なら屋外の灯油タンクから配管で送れる | 26畳 |
※木造の表示の最大は、コロナ・トヨトミ・ダイニチの現行の家庭用モデルでの値です。
寒冷地の木造20畳に必要な約7.9kWと比べると、種類ごとの届き方は次の表のとおりです。
種類 | 最大出力 | 基準の家:約7.9kW | 高断熱の家:約6.6kW |
|---|---|---|---|
対流式 | 6.59〜6.66kW | 届かない | ぎりぎり届く |
石油ファンヒーター:木造19畳まで対応 | 7.20〜7.25kW | あと一歩 | 届く |
石油ファンヒーター:木造26畳まで対応 | 10.00kW | 届く | 届く |
FF式:木造26畳まで対応 | 10.0kW | 届く | 届く |
3社の現行の家庭用ファンヒーターで、木造20畳に届くのはダイニチFZ-104の1機種だけです。
東北の木造20畳で、寒冷地の基準を満たす家なら、必要なのは約7.9kW。木造26畳まで対応のファンヒーターとFF式は、これを約2kW上回ります。対流式で届くのは、それより高断熱の家に限られます。
対流式や木造19畳まで対応のファンヒーターは、必要な約7.9kWに届かないため、最大出力で回し続けることになります。
20畳以上に対応する石油ストーブのおすすめ比較表
コンクリート20畳なら対流式、木造20畳なら木造26畳まで対応のファンヒーターかFF式、というのがここまでの結論です。
機種は、コロナ・トヨトミ・ダイニチの3社の現行の家庭用モデルから、種類ごとに木造の畳数がいちばん大きいものを、メーカー公式の仕様で選びました。
価格はメーカー希望小売価格で、税込みです。「オープン価格」は、メーカーが価格を決めていない機種です。FF式の価格には、設置工事費や部材が含まれていません。
機種 | 種類 | 最大出力 | 畳数(木造/コンクリート) | 電源 | 希望小売価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
コロナ SL-6626 | 対流式 | 6.59kW | 17畳/23畳 | 不要(単1乾電池2本) | 39,380円 |
トヨトミ KS-67H | 対流式 | 6.66kW | 17畳/24畳 | 不要(単2乾電池4本) | 36,080円 |
トヨトミ KS-GE67(GEAR MISSION) | 対流式 | 6.66kW | 17畳/24畳 | 不要(単2乾電池4本) | 39,600円 |
ダイニチ FW-7226SDX | 石油ファンヒーター | 7.20kW | 19畳/25畳 | 要 | オープン価格 |
コロナ FH-VX7326BY | 石油ファンヒーター | 7.25kW | 19畳/26畳 | 要 | 115,280円 |
ダイニチ FZ-104 | 石油ファンヒーター | 10.00kW | 26畳/35畳 | 要(単相100V) | オープン価格 |
コロナ FF-100K | FF式温風(寒冷地用) | 10.0kW | 26畳/41畳 | 要 | 321,200円(専用給排気筒とのセット・工事費別) |
※FF-100Kの畳数は寒冷地の目安。温暖地では木造26畳/コンクリート35畳。出典:各メーカー公式の製品ページ・カタログ(2026年9月27日確認)
木造の20畳を工事なしで暖めたいなら、木造26畳まで対応のダイニチFZ-104です。
コンクリートの20畳なら、対流式の2台が目安に届きます。どちらも電源不要で、停電のときにも使えます。
電源不要で停電にも強い対流式
コンクリートの20畳なら、対流式1台で目安に届きます。コロナSL-6626はコンクリート23畳、トヨトミKS-67Hは24畳の表示です。
対流式の強みは、コンセントがいらないこと。点火は乾電池で行うので、停電中でも使えます。冬の停電に備えたい東北の家には、この1点だけでも選ぶ理由になります。小さな子どもがいる家は、よくある質問の「子どもがいる家で気をつけることは?」もあわせて読んでください。
木造の場合、どちらも表示は17畳です。基準より高断熱の家ならぎりぎり届く計算ですが、東北の一般的な木造20畳では力不足になりやすいので、次の大型ファンヒーターかFF式と比べてください。
通販ではSL-6625という型番もよく見かけます。これは前のモデルで、暖房出力と畳数表示は現行のSL-6626と同じです。
木造26畳まで届く大型ファンヒーター
工事なしで木造20畳を暖めたいなら、ダイニチのFZ-104が候補です。木造26畳の表示があり、3社の家庭用ファンヒーターでは最大です。
最大出力は10.00kWで、寒冷地の基準の家の木造20畳に必要な約7.9kWを上回ります。電源は家庭のコンセントなので、FF式のような設置工事はいりません。タンクは9.0Lで、最大火力なら約9.3時間、最小火力なら約28.9時間燃え続けます。
気をつけたいのは、部屋の空気で燃やして排気も室内に出す開放式であることです。取扱説明書は、使用中は1時間に1〜2回、1〜2分ずつ換気するよう求めています。また、点火ボタンを押してから着火まで80秒かかります。
その次に大きいのが、木造19畳まで対応のダイニチFW-7226SDXとコロナFH-VX7326BYです。ファンヒーターは火力を絞れる幅が広いのが特徴で、FW-7226SDXは最大7.20kWから最小1.50kWまで下げられます。暖まった後は弱めて灯油を節約できます。
ファンヒーターはコンセントが必要なので、停電すると使えません。また、木造19畳まで対応の機種は木造20畳にわずかに届かないので、断熱の弱い家には向きません。
おしゃれ重視ならKS-GE67
見た目で選びたいなら、トヨトミのGEAR MISSIONシリーズKS-GE67が候補です。暖房出力と畳数表示はKS-67Hと同じ6.66kW・木造17畳/コンクリート24畳で、デザインを重視したモデルです。
性能がKS-67Hと同じなので、コンクリートの20畳なら1台で目安に届き、木造の20畳では足りない可能性がある点も同じです。3社の現行機には、木造20畳に届くデザイン重視の対流式はありません。
古い木造・吹き抜けの20畳ならFF式
木造20畳でも、FF式なら出力が足りなくなる心配は小さくなります。コロナFF-100Kは最大10.0kWで、必要な約7.9kWを約2kW上回ります。寒冷地の木造26畳まで対応する表示です。
FF式は、燃焼用の空気を屋外から取り込み、排気も屋外へ出す仕組みです。壁に穴を開けて給排気筒を通す設置工事が必要で、灯油タンクや配管部材、工事費は本体価格とは別にかかります。そのかわり、FF-100Kは別置タンク式なので、屋外の灯油タンクから配管で灯油を送れます。本体に給油する手間がありません。
我が家も、今はエアコンとFF式ストーブを併用しています。本体を通販で買い、取り付け工事だけ業者に頼んだときの費用と手順はこちらにまとめました。
同じコロナの大型ストーブでも、煙突式のSV-7026PRや床暖房付きのFF式UH-F7026PKは木造18畳の表示です。20畳の部屋に1台で使うなら、畳数表示をよく確認してください。

においと運転音の違い
においと音が気になるなら、消火時のにおい対策の機能名と、ファンヒーターは運転音のdBを見比べます。メーカーの取扱説明書と製品ページの記載は、次の表のとおりです。
機種 | 消火時のにおい対策 | 運転音(公式) | 点火 |
|---|---|---|---|
コロナ SL-6626 | 製品ページに記載なし | 記載なし(ファンなし) | 乾電池・つまみ式 |
トヨトミ KS-67H/KS-GE67 | ニオイセーブ消火 | 記載なし(ファンなし) | 乾電池 |
ダイニチ FW-7226SDX | 秒速消臭システムプレミアム | 強42dB/弱30dB | 約40秒 |
コロナ FH-VX7326BY | クリーン消火ほか | 強42dB/弱28dB | 通常120秒/秒速点火7秒 |
ダイニチ FZ-104 | 秒速消臭システムプレミアム | 強46dB/弱33dB | 80秒 |
出典:各メーカーの取扱説明書・製品ページ(2026年9月27日確認)
対流式にはファンがないので、ファンの回る音はしません。木造19畳まで対応のファンヒーター2機種は弱運転で28〜30dB、出力の大きい木造26畳まで対応の機種は強46dB・弱33dBと、ひと回り大きくなります。
においは、どの機種も点火と消火のときに出やすいものです。トヨトミの取扱説明書は、使い始めにほこりや油が焼けるにおい、芯を下げすぎたときのにおいを説明しています。ダイニチも、初めて使うときは塗料などが焼けて煙やにおいが出るが、約1時間でおさまると説明しています。買ってすぐのにおいは故障ではないので、換気しながら使い始めてください。
レビューは自分の家に近い声を探す
購入前に通販サイトのレビューを読むなら、星の数より、自分の家と条件が近い人の声を探すのが近道です。同じ機種でも、コンクリートの部屋の「よく暖まる」と、古い木造の「寒い」が並ぶのは、ここまで見てきた家の違いがあるからです。
レビューを読むときは、次の4つが書いてあるものを選んでください。
- 部屋の畳数
- 木造かコンクリートか、家の古さ
- 地域。寒冷地・雪国かどうか
- 吹き抜けや、隣の部屋とのつながり
楽天市場の商品ページなら、レビュー欄で「木造」「畳」「寒冷地」などの言葉を探すと、条件の近い声が見つかりやすくなります。4つがそろって自分の家に近い人が「足りない」と書いていたら、1サイズ上の機種を検討する合図です。
20畳用石油ストーブの燃費と灯油代
20畳前後向けの石油ストーブを最大火力で使うと、1時間あたりの灯油代は約89〜97円、木造26畳まで対応のファンヒーターなら約135円です。
灯油の量はメーカーの「燃料消費量」で分かります。ここに灯油の単価をかければ、1時間あたりの灯油代が出ます。灯油価格は資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の2026年9月14日調査分を使いました。東北の店頭価格は18Lで2,496円、1Lあたり138.7円です。全国平均は18Lで2,535円、1Lあたり140.8円です。
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果」(2026年9月14日調査分・2026年9月27日確認)
1時間あたりの灯油量
機種 | 燃料消費量(1時間) | 灯油代(1時間・東北の店頭価格で計算) |
|---|---|---|
コロナ SL-6626 | 0.640L | 約89円 |
トヨトミ KS-67H | 0.647L | 約90円 |
ダイニチ FW-7226SDX(最大) | 0.700L | 約97円 |
ダイニチ FW-7226SDX(最小) | 0.146L | 約20円 |
コロナ FH-VX7326BY(最大) | 0.705L | 約98円 |
コロナ FH-VX7326BY(最小) | 0.116L | 約16円 |
ダイニチ FZ-104(最大) | 0.972L | 約135円 |
ダイニチ FZ-104(最小) | 0.311L | 約43円 |
※灯油代は燃料消費量×138.7円/Lで当サイトが計算。FF-100Kは、燃料消費量の公式記載がないため載せていません。
最大火力どうしなら、対流式とファンヒーターの差は1時間7〜9円ほどです。差がつくのは、暖まった後の使い方です。ファンヒーターは最小まで絞れば、1時間約16〜43円まで下がります。
目安として、SL-6626を最大火力で1日8時間、30日使うと、灯油は約154L・約21,300円になります。実際は部屋が暖まれば火力を下げるので、これより少なくなります。
タンク容量と給油回数
機種 | タンク容量 | 連続燃焼時間(公式) |
|---|---|---|
コロナ SL-6626 | 7.0L | 約11.0時間 |
トヨトミ KS-67H | 6.3L | 約9.7時間 |
ダイニチ FW-7226SDX | 9.0L | 12.9〜61.7時間 |
コロナ FH-VX7326BY | 7.2L | 10.2時間(最大燃焼時) |
ダイニチ FZ-104 | 9.0L | 9.3〜28.9時間 |
対流式は、最大火力で使うとおよそ10時間ごとに給油が必要です。朝から夜まで使う家なら、1日1回は給油すると考えておきましょう。18Lのポリタンク1つで、SL-6626なら最大火力で約28時間燃やせる計算です。
屋外に灯油タンクがある家はFF式が有利
東北では、家の外に大きな灯油タンクを置いている家もあります。この場合、給油の手間まで含めて考えると、選び方が変わります。
比較表のコロナFF-100Kや、トヨトミのFF-96Rは、本体とは別に置いた灯油タンクから配管で灯油を送る「別置タンク式」です。トヨトミは、大容量タンクと接続すれば給油せずに長時間暖房できると説明しています。20畳を朝から晩まで暖める家では、毎日のポリタンク運びがなくなるのは大きな違いです。
一方、対流式や石油ファンヒーターは、本体のタンクに給油する方式です。屋外タンクがあっても、そこからポリタンクに移して運ぶ手間は残ります。
屋外タンクがあり、壁に穴を開ける工事ができる家なら、FF式を第一候補にして比べてみてください。

エアコンとの比べ方
エアコンと比べるときは、同じ部屋を同じ時間暖めた場合の費用で比べます。石油ストーブは「燃料消費量×灯油の単価」、エアコンは「消費電力×電気の単価」です。どちらも最大運転の数字だけでなく、暖まった後にどこまで絞れるかで月の金額が変わります。
寒冷地でエアコン暖房だけで冬を越したときの電気代は、別の記事で実額を出しています。石油ストーブと迷っている方は、あわせて比べてみてください。
石油ストーブ20畳のよくある質問
20畳を暖めるには何kWの石油ストーブが必要?
寒冷地で2重窓と断熱材がある家なら、木造20畳で約7.9kW、コンクリート20畳で約4.9kWが目安です。それより高断熱なら、木造は約6.6kW、コンクリートは約3.3kWで足ります。JGKAの寒冷地の表を、広さの比率で20畳に置き換えて計算した値です。
木造20畳に対流式1台で足りる?
表示上は足りません。3社の現行の対流式は、いずれも木造17畳までの表示です。基準より高断熱の家ならぎりぎり届く計算ですが、古い木造や吹き抜けのある部屋では力不足になりやすいので、木造26畳まで対応のファンヒーターか、FF式を検討してください。
石油ストーブの寿命はどのくらい?
メーカーが示す「設計標準使用期間」が目安になります。コロナはFFストーブを8年、ダイニチは家庭用石油ファンヒーターを8年、トヨトミはKS-67Hの取扱説明書で8年相当としていて、点検や買い替えを考える目安だと説明しています。保証期間や「8年で必ず壊れる」という意味ではありません。機種ごとに取扱説明書で確認してください。
石油ストーブの換気はどのくらい必要?
開放式の石油ストーブ・ファンヒーターは、1時間に1〜2回の換気が目安です。トヨトミの取扱説明書とJGKAは1時間に1〜2回、1〜2分ずつ、NITEは暖房器具全般について1時間に1回以上、5分程度、窓を開けるか換気扇を回すよう案内しています。2か所以上を開けると、空気が早く入れ替わります。換気をしないまま使い続けると、室内の酸素が減って不完全燃焼や一酸化炭素中毒につながると、製品評価技術基盤機構NITEが注意を呼びかけています。
FF式は屋外から空気を取り込み、排気も屋外へ出す仕組みなので、開放式とは扱いが違います。使い方は取扱説明書に従ってください。
出典:NITE「一酸化炭素中毒の事故」(2026年9月27日確認)
賃貸でも石油ストーブは使える?
物件によっては使えません。UR都市機構も、賃貸住宅では石油ストーブや石油ファンヒーターが契約で禁止されていることが多いと説明しています。
理由のひとつが結露です。部屋の空気で灯油を燃やす開放式は、灯油1Lにつき約1Lの水蒸気を部屋に出すと、ダイニチは説明しています。湿気がこもると結露やカビにつながり、結露を放置して傷めた部分は、退去時に借りた側の負担になることがあります。国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」でも、そう整理されています。
使う前に契約書を確認し、分からなければ管理会社に聞きましょう。FF式は壁に穴を開けて給排気筒を通す工事が必要なので、賃貸では貸主の許可がないと設置できません。
出典:UR都市機構「一人暮らしの暖房器具の選び方」、ダイニチ「石油ファンヒーターは暖房と加湿が同時にできる優れもの!」、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2026年9月27日確認)
子どもがいる家で気をつけることは?
石油ストーブは種類を問わず、本体や吹き出し口が熱くなります。消費者庁は、暖房器具による子どものやけどの事故が医療機関から寄せられているとして、次の3つを呼びかけています。
- 床に置くタイプは、子どもの手が届かない場所に置くか、安全柵で囲む
- 小さな子どもがいる場所では、ストーブの上にやかんを置かない
- 直接触れなくても熱気や温風でやけどをすることがあるので、十分に距離をとり、長時間当たり続けないようにする
消費者庁の事例には、ストーブの柵につかまり立ちした子どもに、上に置いていたやかんが倒れて熱湯がかかったケースもあります。柵で囲んでも、上に物を置かないことまでがセットです。
また、JGKAは、給油は必ず火を消してから行うよう案内しています。子どもが近くにいる時間帯の給油は、特に落ち着いて行いましょう。
出典:消費者庁「油断大敵!暖房器具によるやけどにご注意ください」、JGKA「石油ストーブの安全な使い方」(2026年9月27日確認)
停電のときに使える石油ストーブは?
コンセントのいらない対流式です。比較表では、コロナSL-6626とトヨトミKS-67H・KS-GE67が電源不要で、点火は乾電池で行います。石油ファンヒーターとFF式は電源が必要なので、停電中は使えません。
まとめ
石油ストーブ20畳選びは、まず家の造りを確認するところから始まります。
- コンクリートの20畳:対流式1台で目安に届く。停電の備えにもなる
- 木造の20畳:木造26畳まで対応のファンヒーターか、FF式。どちらも寒冷地の基準の家で必要な約7.9kWを約2kW上回る。ファンヒーターは工事なし、FF式は工事あり
- 基準より高断熱の木造20畳:対流式でも計算上ほぼ届くが、差はわずか
- 古い木造・吹き抜けの20畳、屋外に灯油タンクがある家:FF式が第一候補
迷ったら、JGKAのすすめどおり少し大きめを選び、暖まってから火力を絞るのが無駄のない使い方です。停電への備えを重視するなら電源不要の対流式、木造の20畳を工事なしで暖めたいなら木造26畳まで対応のファンヒーター、古い木造や吹き抜けの部屋ならFF式、と優先したいことで選んでください。

